別府といえば湯けむりの立ち上る風景を思い描く人が多いでしょう。その場所が別府鉄輪(かんなわ)です。その中心部、鉄輪観光案内所(鉄輪バス停)から徒歩5分ほどのところに、「Tabist 日生や 別府鉄輪」があります。朝から別府観光を楽しんだあと、午後3時半ぐらいにチエックイン。ひとり旅にちょうど良いこぢんまりとした和室でしばしくつろいだ後、フロントでもらった周辺の地図を見ながら、近場を観光しに出かけました。夕方戻ってから、また近所を散歩し、スーパーへ夕食の食材を買いに。宿の目の前で地獄蒸しの体験ができます。初めての地獄蒸しにワクワクドキドキ♪ その後はゆっくり温泉に入り、充実した一日の終わりをかみしめました。
自宅で過ごすような宿 日生や別府鉄輪
フロントのお兄さんが大評判
鉄輪といえばべっぷ地獄めぐりが有名ですが、鉄輪観光案内所(鉄輪バス停)から、地獄めぐりに向かうみゆき坂とは反対側へ、いでゆ坂を下って行くと、電信柱に日生やの看板が見えます。
その矢印に沿って右手に曲がるとマンションのような建物があり、その入り口にはもう、地獄の窯が!
フロントに行ってベルを鳴らすと、元気の良いお兄さんが現れました。この方が、口コミで大評判の人か~♪ どうやら、ひとりでこの宿を切り盛りしているらしいです。
カギと、周辺の地図をもらうと、「地獄蒸しは体験しますか?」と聞いてくれたので、「ぜひ!!」と答えました。すると、地獄蒸し初めての私にもわかり易く、玄関の目の前でできる体験の説明をしてくださり、食材を買えるスーパーも紹介してくれました。
実は私、その前に行った日帰り温泉で少し湯あたりし、ぼーっとしていたので、やけどをしないようにする注意点など、余計に丁寧に説明してくれたのかも知れません(^^♪
マンションのような、暮らしたくなる部屋
ここは、どうやら社員寮だった場所を宿泊施設に改築したようで、外観はマンションのようでした。部屋に入ると冷蔵庫はもちろん、ミニキッチンもついていて、ここでずっと暮らせそうです。
私は和室に泊まりましたが、掃除も行き届いていて気持ち良く、(湯あたりしていたせいもあって)いきなりごろんと寝転んでしまいました。
ベランダもあり、窓からはこんな、これぞ別府!の風景が臨めます。
ただし、ミニキッチンやお風呂の入り口の板の間から、畳の部屋に降りるところに、少し段差があります。私のようにぼーっとしていると転びそうになるので、そこだけはご注意ください。
ご近所を散歩してみた
フロントでいただいた地図を見ると、ガイドブックなどには載っていなかった湯雨竹という設備がすぐ近くにあるようなので、散歩がてら行ってみました。
近くのひょうたん温泉の一部のようですが、竹製温泉冷却装置というもので、ここで100℃以上の源泉を、一気に冷やすのだそうです。
地獄蒸しの窯が無料で使える♪
スーパーのおかみさんも親切
そして、いよいよ地獄蒸し体験!
地獄蒸しとは、温泉の蒸気を使って食材を蒸す伝統的な調理法で、別府温泉の名物です。食材をカゴに入れて、蒸気の立ち上る窯に投入。蓋をしてしばらく待つと、出来上がり。
地獄蒸し用の食材セットが売っていると教えてもらった、徒歩2分のスーパーへ行きました。すると、その日のセットはもう売り切れたとのこと。それなら何か適当に見繕って買おうと思っていたら、おかみさんが「どこに泊まるの?」と聞いてくれて、「日生やさんです」と答えると、わざわざちょうど良いセットを作ってくれました♪
きっと、日生やさんのお兄さんが、ご近所でも評判良いのだと思います(と勝手に思う)。
野菜と卵だけですが、さつまいもとじゃがいもを半分に切れば、全部いっぺんに15~20分で蒸しあがる、とのこと。食材によって蒸し時間が異なるので、超初心者でも一度で成功するように、揃えてくれました。
いざ、地獄の窯へ!
玄関のすぐ目の前に窯があり、宿泊客は、空いていればいつでも誰でも無料で自由に使えます。
深さの違う窯が3種類あり、写真の右奥に見えるドアを開けると、そこが調理場になっています。窯の深さに合ったカゴがいくつもあって、調理用具・食器・調味料も全部揃っているのがうれしい♪
そして、フロントのお兄さんとスーパーのおかみさんに教わった通り、いも類を半分に切り、カゴに入れて、やけど防止のミトンをはめ、恐る恐る窯の中へ~
この後は、部屋に戻って待つこと20分。
上手に蒸しあがりました~♪
お皿もお箸もお盆も揃っていて、部屋に持って帰っていただくことができます。
あ、いや、お見せするほどの映え写真にはほど遠いですが、なにせ初めてなので・・・
調理場で一緒になった奥様は、色々な食材をとても綺麗に切って並べていらしたので、次はぜひ私も挑戦したいと思います。
味はというと、キャベツもシメジもとても甘く、調理場にあった胡麻ポン酢がぴったり。じゃがいも、さつまいもはふっくら。玉子もちょうどよい固さに蒸し上がっていて、なぜ一度に全部、こんなにちょうど良くおいしくなるのか、不思議です。そして、ほのかな硫黄のかおりが、「旅に出た~♪」という気分を増幅させます。
野菜と玉子だけとはいえ、ひとりで食べるには多すぎたので、残りはラップをかけて(ラップまで用意されています!)部屋の冷蔵庫へ。
次の朝、セブンイレブンで買ったベーコンを追加して、また蒸して食べました。レンジでチンじゃないというだけで、朝からテンション上がる~♪
食後は別府の温泉にゆったり浸かる
もちろん、別府鉄輪ですから、宿に温泉もあります。
ビジネスホテルのちょっとした大浴場ぐらいを想像していたのですが、思いのほか広い、源泉かけ流しの本格的な温泉でした。
ひとり旅だと、他のお客さんたちが食事をしたり、家族でテレビを見て団らんしたりしている時間を狙ってお風呂に入れるのが強み。夜も翌朝も、貸切り状態で、ゆっくり入れました。
近隣のおすすめスポット
・べっぷ地獄めぐり
別府鉄輪といえば、言わずと知れたべっぷ地獄めぐり。
セットになっている場所は7カ所ありますが、鉄輪バス停の近くで歩いて回れるのは5カ所です。いちばん大きな海地獄から回るのがおススメです。
・ゆけむり展望台
別府と聞いて想像する景色は、ここだという人が多いのではないでしょうか。
午後、宿に早めにチエックインしてしばらく休んだあとで、行ってみました。バスで2分+徒歩10分ほどです。かなり坂を上りますが、やはり別府に来たからにはこの景色を見てみたいもの。
・貴船城
坂の多い鉄輪エリアで、ひときわ高い場所にある貴船城。湯けむり展望台から、徒歩で20分ぐらいの場所です。やはり上り坂がキツいですが、その分、別府湾を超えて高崎山まで見渡せる景色は壮観です。
本格的に地獄蒸しをやってみたい方には、すぐ近くに地獄蒸し工房があります。
食材費(セットになっているので便利)、窯の使用料(15分単位)、食材を持ち込む場合は持ち込み料がかかります。
ちなみに、予約はできないようです。食材によって蒸し時間が異なるので、各お客様の滞在時間が予測しづらいためかも知れません。
まとめ
べっぷ地獄めぐりの拠点として、鉄輪で手ごろな宿を探しましたが、最高のところが見つかりました。高級宿やシティホテルのサービスを求める人には向かないかも知れませんが、チエックインを済ませると、後は適度に放っておかれるので、本当にそこで暮らしたくなります。
食事はなく素泊まりだけですが、近隣にスーパーやコンビニもあり、もちろん観光地の食事処も充実しているので、十分満足できます。部屋にはミニキッチンもあり、なにより、地獄蒸しの窯が自由に使え、調理器具や調味料に食器やラップまで揃っているので、心行くまで地獄蒸しを堪能することができます。もちろん、温泉もあります。次回はぜひとも長期滞在してみたいものです。
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